リリース判定の仕組み・ソフトのリリースには社外向けと社内向けがある
ソフトのリリースには社外向けと社内向けがある
ソフトのリリース判定を行仕組みも4つに分けて考えると判り易いですと、リリース判定のための4つのの仕組みの記事で紹介しました。ところで、ソフトのリリースは社外向けのリリースと社内向けのリリースの2つに大きく分かれて、その中でもまたもう少し細かなリリースの種類があります。
リリースの判定が必要なのは社外向けの正式版リリースだけなのですが、そう考えるためには社外向けや社内向けにどんなリリースの種類があるのかを整理しておく必要があります。この記事ではグータラ親父が使っていたリリースの種類について紹介していいます。
社外向けのリリースの種類
まずは社外向けのソフトリリースの種類ですが、良く聞くのは正式版、体験版、評価版、試用版、機能確認版、β版 といった呼び名でょうか。
正式版というのは、説明も不要ですね。ソフトのメーカがこれは正式なソフトですよ安心して使って下さいと世の中にリリースして、通常は対価として利用料や購入の代金をユーザから頂くものです。
体験版は、正式版を購入してもらう前に少し使って試してもらうために、機能や利用期間などに制限を掛けてあるリリースですね。内容的には正式版と同じ機能・性能・品質で、ソフトの仕組みで一部の機能の利用を制限したり利用期間を制限したりしている場合もよくあります。少し試て貰って気に行ったら購入して下さい、という購入の導線を提供する事を目的としたリリースとも言えます。
正式版を購入すると制限事項を解除するためのキーなどが提供され、これを使えば体験版の制限が解除され正式版になる、という仕組みで作られている事も多いです。
評価版は、正式版にはまだなっていない開発途中のソフトウエアですが、ユーザに実際に触ってもらい機能や性能を評価してフィードバックを貰う事を目的としたソフトです。まだ全部の機能が完成していなかったり性能のチューニングが未だだったりする事もありますが、そのような点も含めてフィードバックを集め、正式版への最後の開発を加速する事が目的です。ゲームソフトの分野では、評価版をβ版と呼ぶ事も多いですね、実際のユーザに試してって最後の調整を掛けるためのリリースという感覚です。
試用版とか機能確認版というのは評価版の一種です。明確に定義されている訳ではありませんが、ソフトの全体を評価してもらう時は試用版、特定の機能や性能を評価して貰いたい時は機能確認版、という種類のソフトとしてリリースします。
社内向けのリリースの種類
社内向けのソフトウエアのリリースの種類とはどんな物でしょうか? 社内向けという事は、開発/テスト/保守 等の社内でのソフト開発作業の中で使われるソフトのリリースです。こちらは、社外向けよりも種類が多く、Pre-α、Nightly Build、α、β、Release Candidate、Release To Manufacturing、Golden Master、General Availability 等があります。
Pre-α版 は、開発の初期段階で、まだ全部の機能は搭載されていないけど、一部の機能はやっと動くようなレベルまで出来上がったソフトウエアで、特定の機能の動作を確認する事を目的としたリリースです。Pre-α版 は毎晩 Build 作業というソースコードから実行プログラムへ変換する作業を行っている時期のバージョンでもあるので、 Nightly Build と呼ばれる事もあります。ただし、このあたりのリリースの種類は、ソフトの開発現場という泥沼に足を踏み入れた事がある人しか知らない場合が多いですので、普通の人が知る必要はあまり無いと思います。
α版は、Pre-α版に比べると少し品質が良くなってきたソフトで、特定の機能についてはある程度は安定して動くレベルのソフトです。 特定の機能の仕様や応答性などを社内で評価する事を目的として、主に社内の開発部門やテスト部門に対してこのソフトをリリースします。稀には、α版をユーザにリリースして、新しい機能の評判を探るという事もありますが、大抵は社内向けのリリースです。
β版は、開発の後半で機能は一通り揃っていて、応答性や安定性に関するチューニングを行っている最中のソフトです。ソフトの全体としての機能・性能の仕上がり具合や安定性のレベルを評価する事を目的として、社内のテスト部門に対してリリースされます。また製品によって、はこのβ版をユーザにもリリースしてユーザからのフィードバックを得て、バグ修正や性能改善を加速する事もあります。
Release Candidate版は頭文字をとって RC版と呼ばれる事もありますが、もう少しで正式版になるまで完成度が挙がった最終テスト段階にあるソフトです。実施中のテストで新たなバグが見つからなければ、このRC版が正式版となります。ですのでRC版は主に社内のテスト部門にリリースされますが、実証試験をユーザに委ねる開発の場合には、RC版をユーザにリリースする事もあります。
そして、RC版のテストでバグが見つからなければ、いよいよ Release To Manufacturing版 略してRTM版となり、工場の生産ラインで製品に搭載される製造作業に投入されます。RTM版は、そのソフトウエアをマスターとしてコピーしたソフトウエアを製品に搭載する、という作業の方法から、Golden Master GM版と呼ばれる事もあります。
RTM版やGM-版というリリースの名称は、工場での製造ラインへ対するソフトのリリースの種類ですが、既に市場で動作している製品のバージョンアップを目的とした場合、インターネット経由で祖ソフトを配布する事もよく有ります。この時は、工場での製造ラインとは関係ないので、RTM版とかGM版というリリースの名称がすこしそぐわなくなります。 そのような時には誰でも(対価を払えば)使えるという意味で General Availability版 略して GA版という名称を使う事が多いですね。
最近では、開発の早い段階から開発途中のソフトをユーザに評価用に提供するという開発の方法が広まってきたので、以前は社内向けのリリースだったものが社外向けにも提供される事が増えてきたたに、社内向け/社外向けという境界は少し曖昧になってきています。
その結果、一般の人の目に触れるソフトのリリースの種類というか名称が増えて、ソフトの開発に馴染みの薄い人にはやや判り難くなってきています。ソフトのリリースの種類も、リリースの本来の目的に遡って考えると判り易いですので、混乱しそうな時にはこのような事を思い出してみて下さい。
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